変形性股関節症による肢体の障害で障害年金を請求したお客様から「年金証書」到着のご連絡をいただきました

今日、変形性股関節症による肢体の障害で「障害年金」を請求したお客様から「障害厚生年金3級」の「年金証書」が届いたとのご連絡がありました。
年末年始のお休みを挟んで40日程度のスピード決定でした。
大変喜んでおられました。

ホームページを見て、お問い合わせを頂きました。
変形性股関節症を発症される方の多くがそうであるように、今回のお客様も生まれて間もなく医師から股関節脱臼と言われたとのことでした。
この変形性股関節症に関しては、日本年金機構のマニュアルでは「初診日」を次のように定義しています。

「先天性股関節脱臼は、完全脱臼したまま生育した場合は出生日が初診日、青年期以降になって変形性股関節症が発症した場合は、発症後に初めて診療を受けた日」

非常に微妙な表現ですが、出生日が「初診日」と認定されてしまと、「20歳前傷病による障害基礎年金」となり、「障害認定基準」では、「人工関節」のそう入置換をした場合は3級に認定するとされており、1級と2級しかない「20歳前傷病による障害基礎年金」では受給出来ないということになります。

一方で、このように幼少期に股関節脱臼や臼蓋形成不全と診断され、治療を受けた場合でも、その多くはその後治癒し、何の問題,自覚症状もなく長期間普通に日常生活を送られたりお勤めをされ、数十年経ってある時股関節に痛みが発生し、病院を受診し「変形性股関節症」と診断されるというパターンなのですが、この場合お勤めをされている時に(厚生年金加入中に)初診日があると、3級まである「障害厚生年金」を請求出来る可能性が出て来ます。
※青年期以降でも初診日が国民年金加入中にある場合は、やはり障害基礎年金となり、請求出来ません。

お客様にお話を詳しくお聞きしますと、出生間もなく医師から股関節脱臼を指摘されたものの、他の疾病の治療を優先している間に、あり日歩き出し、結局治療をせずじまいでした。

小学校入学以降も自覚症状もなく、体育の授業も普通に受け、小学校時代は地域の運動系のクラブ活動にも参加されるなど、就職した後も股関節には問題無く、活発に活動されていらっしゃいました。

お客様にご協力を頂きながら、「病歴・就労状況等申立書」で普通に日常生活ならびに仕事も出来ていたことをエピソードなどを交えながら詳述し、補足資料では部活動の写真などを入れ、「確かに先天的な股関節脱臼ではあったが、治療もしていないし、その後長期間、股関節に何ら問題無く、普通に日常生活を送り仕事もしてきましたよ」ということを訴えました。

結果、これらの申し立て通り、出生日ではなく、青年期以降のお勤め期間に初診日があることが認められ、「障害厚生年金3級」に認定されました。
ご協力、ありがとうございました。

【ポイント】先天性の疾患の初診日について
先天性の疾患の場合、出生日が「初診日」と思われがちですが、出生日が「初診日」となる先天性の疾患は、生まれながら(生来)の「知的障害」だけです。
それ以外の先天性の疾患の場合、初診日は実際にその疾患で初めて受診した日となります。
詳細は「かけはし」第59号を参照下さい。