網膜分離症による眼の障害で障害厚生年金3級を受給できたケース

ご相談者様男性(40代)
傷病名網膜分離症
決定した年金の種類と等級障害厚生年金3級
受給決定額年間約64万円

ご相談内容

私も通っている某大学病院の視能訓練士さんから、「障害の程度は手当金当相当だが、症状固定じゃないので、3級いけると思う」と言われ、当センターを紹介して頂いたということで、ご相談を頂きました。

※この某大学病院の眼科は医師をはじめ、視能訓練士さんも研修等で勉強されているようで、「障害年金」にも精通されており、関心しています。
我々専門家も顔負けです。

ここに通われている患者さん達は、「障害年金」のことを知らずに長年苦労されている方がいる中で、このように検査をして下さる視能訓練士さんから症状に合わせ、「障害年金」のご案内を頂けるなど、非常に恵まれているといつも思います。

まだまだ認知度の低い「障害年金」ですが、我々も病院訪問等をしながら広報活動もしていますが、こうやって病院で「障害年金」をご紹介頂けると非常にありがたいです。

お客様からお話をお聞きしますと、障害の程度は障害手当金相当と言えど、日常生活にも多くの不自由があり、特に書類やPC相手の仕事では小さい字や色が見づらく、非常にご苦労をされておられました。

当センターのサポート

今回の請求では、ポイントが2つありました。

1つ目のポイントは、現在の 症状(障害) の程度は障害手当金(3級)相当だと思われましたので、この障害手当金(3級)の障害年金を受給するには、「初診日」が「厚生年金」加入中でないといけません。

一方、眼の障害ではよくあることなのですが、今回のお客様の場合も、ご本人は何の自覚症状もなく、普段の生活も問題なく過ごされていたのですが、中学生の時に検診で眼の異常を指摘され、親御さんが心配され病院を受診したものの、結局「治療法がないので、経過を観察するしかない」ということで数回の受診で終診されておられました。
もし、ここが「初診日」だと認定されてしまうと、障害等級非該当と認定されてしまいます。

当然、幼少期から継続して治療を受けているような場合は仕方ありませんが、今回の様に大人になるまで特に自覚症状もなく、厚生年金加入時時に「障害年金」の請求の対象である傷病での自覚症状が現れ、初めて病院を受診したというような場合(厚生年金加入時に「初診日」が有るような場合)は、これらの経緯を「病歴・就労状況等申立書」に正確に記載し、また申立書も使って、厚生年金加入時に「初診日」が有ることを訴えていく必要がありました。

もう1つのポイントは、現在の症状(障害)の程度が障害手当金相当であったことです。
一方、障害手当金の受給要件には「初診日から5年以内に治り(症状固定)、その治った(症状固定)日から5年以内に請求した場合」というものがあるのですが、今回のお客様の場合、進行性の傷病(障害)であり、この障害手当金の要件には該当しませんでした。

このような場合、「障害認定基準」第2の1障害の程度の(3) 3級の部分に、カッコ書きで「「障害が治らないもの」については第3の第1章に定める障害手当金に該当する程度の 障害の状態がある場合であって も 3級に該当する 。」と書かれており、つまり、障害手当金相当の障害の程度であっても、症状が固定していなければ障害手当金は支給されず、障害厚生年金3級として支給されることになります。

障害手当金は一時金で、1回支給されて終わりですが、今後も悪化が見込まれる場合は3級を受給する方が良いことになります。

この「障害の程度が障害手当金相当で、傷病が治らない」場合に認定される等級が「3級14号」という等級になります。

今回のお客様の場合も、残念ながら今後も緩徐に症状(障害)の悪化が見込まれており、まさしくこの「3級14号」に該当するケースでしたので、この治っていない(症状固定でない)ことを、診断書にしっかり書いて貰う様に、医師にお願いをしました。

結果

事後重症請求」が認められ、「障害厚生年金3級」が支給決定されました。

支給金額年額約64万

まだお若く、ご家族もいらっしゃり、今後も症状が緩徐に進行する中で、今後のことを考えた場合の不安をお持ちでしたので、安心材料が一つできたということで、大変喜んでおられました。