「精神の障害に係る等級判定ガイドライン」とは何ですか?

まず、「精神の障害に係る等級判定ガイドライン」が作成された経緯についてご説明します。
平成26年8月、障害基礎年金の不支給割合に、都道府県により最大約6倍の格差があり、何年もほぼ同じ割合で推移しているとの新聞報道がなされました。
すなわち、精神・知的障害の認定において、地域により支給されやすい地域と支給されにくい地域があり、この差が最大で6倍以上あるということが判明しました。
(不支給割合の最も高い地域:大分県(24.4%) 不支給割合の最も低い地域:栃木県(4.0%)

これに対し厚生労働省が実態調査を行った結果、地域差は、主に精神・知的障害について都道府県の地域による認定の格差によるものと発表しました。

そこでこの地域格差を解消するため、「精神・知的障害に係る障害年金の認定の地域差に関する専門家検討会」が平成27年2月に設置され、8回にわたる議論を経て、「精神の障害に係る等級判定ガイドライン」が作成、平成28年9月に施行されました。

この「精神の障害に係る等級判定ガイドライン」は、主に診断書の記載項目のうち、日常生活能力の程度および判定をもとにした「等級の目安」と、それ以外の要素からなる「総合評価の際に考慮すべき要素の例」から構成され、その他、必要に応じて使用される照会様式等が新たに作成されました。

等級判定ガイドラインを用いた認定の基本は、「日常生活能力の程度」の評価と「日常生活能力の判定」の評価をそれぞれ「障害等級の目安」(マトリックス)に当てはめ、どの障害等級に相当するのかの目安を参考にしつつ、「総合評価の際に考慮すべき要素の例」を考慮したうえで、認定医が専門的な判断に基づき、総合的に判定するというものです(総合評価)。
総合評価では、目安とされた等級の妥当性を確認するとともに、目安だけでは捉えられない障害ごとの特性に応じた要素を「診断書」等の記載内容から詳しく診査したうえで最終的な等級判定を行うこととされています。

なお、ガイドラインのみで精神・知的障害を認定するというのではなく、あくまでも従来の「障害認定基準」に基づいて適正に認定行われるように補足的に使われるとういうものです。

同時に次のものも整備されました。

・「障害年金の診断書(精神の障害用)記載要領」・・・上記「精神の障害に係る等級判定ガイドライン」の施行と同時に、「診断書」を出来る限り詳細にかつ具体的に記載されるように、診断書作成医向けに配布されました。

・「日常生活及び就労に関する状況について(照会)」・・・認定医が、審査の段階で必要に応じて、ご本人に照会するための様式で、同時に導入されました。