うつ病による精神の障害のお客様の(再)障害認定日請求書を提出しました

本件、「自律神経失調症」、「神経症」を30年以上前に発症されたお客様でご家族が一昨年「障害年金」の請求をされたのですが、「診断書」には十分に精神疾患が疑われる内容が書かれているにも関わらず、傷病名が神経症である「自律神経失調症」、「神経症」と書かれていたために、「不支給」決定されたものです。
一方、裁定請求日時点(事後重症)は認定されています。

昨年、ご家族から「額改定請求」のご相談があり、「認定調書」の開示請求を行った結果、上記不支給の理由が分かりました。

たしかに、「障害認定基準」には、つぎの様に書かれており、「神経症」は基本的に「障害年金」の対象外ということです。
「神経症にあっては、その症状が長期間持続し、一見重症なものであっても、原則 として、認定の対象とならない。」

一方、但し書きならびになお書きがあり、つぎのように書かれており、「精神病の病態」を示している場合は、精神病に準じて認定すると。
「ただし、その臨床症状から判断して精神病の病態 を示しているものについては、統合失調症又は気分(感情)障害に準じて取り扱う。」
「なお、認定に当たっては、精神病の病態がICD-10による病態区分のどの区分 に属す病態であるかを考慮し判断すること。」

また、日本年金機構より診断書を作成する医師向けに出された通知「障害年金の診断書(精神の障害用)記載要領」内の⑬「備考」の部分には、つぎの様に書かれています。
「①「障害の原因となった傷病名」欄に神経症圏(ICD-10 コードがF4)の傷病名を記入した場合であっても、「統合失調症、統合失調症型障害および妄想性障害」または「気分(感情)障害」の病態を示しているときは、その病態とICD-10 コードを記入してください。」
※ICD-10コード:WHO(世界保健機関)が作成する疾患の分類で、精神の障害用「診断書」には傷病名と共にこのICD-10コードを記載することになっています。

このような難しい専門的なことを、ご家族が知る訳もなく、残念ながらほとんどの医師も知らないと思います。

という訳で、この度、「診断書」を先の日本年金機構の指導に従って再作成頂きましたので、(再)「障害認定日請求をしました。

また、前回ご家族が年金事務所の指導の下請求されていますので、上記のように日本年金機構自体が「神経症」に関して種々指導しているにもかかわらず、何ら指導頂いていなかったので、前回の請求時点に遡って遡及頂くよう、合わせて申立てしました。

というのは、今回の(再)「障害認定日請求」は「障害認定日」より既に5年以上経過しているため、時効の関係で、「障害認定日請求」が認められても、現時点から最大5年分しか遡及して支給されないのですが、裁定請求日時点での「事後重症請求」による「障害年金」が認定されており、それ以降は差額しか支給されないことになります。
ですので、「前回の請求時に年金事務所で上記のように指導して頂いていれば、その時点から5年遡って支給されたのでは?」ということで、前回の請求時点から5年遡って支給頂けるように、合わせて申立てました。

【ポイント】(既に「事後重症請求」で「障害年金」を受給している時の「障害認定日請求」方法)
「事後重症請求」で「障害年金」を受給している場合でも、「障害認定日請求」は出来ます。

今日提出してきた書類は下記の通りです。
・「年金証書」(コピー)
・「裁定請求書」(当然、「障害給付 の請求事由」は「1.障害認定日 による請求」に○を
 付けます)
・「障害認定日」現症の診断書(請求日現症の診断書は不要)
・取下げ書
 ※「取下げ」と聞くと、請求した「障害認定日請求」が認定されない場合、現在受給し
  ている「障害年金」まで支給停止になりそうで心配になりますが、そういう訳ではあ
  りません。
  「障害認定日請求」が認められると、受給権発生日等が変わる等しますので、新たに
  認定されるという意味での「取下げ」で、現在受給している「障害年金」には全く影
  響は無いとのこと。(年金事務所の担当者から教えてもらいました)
・病歴・就労状況等申立書(前回請求時から現在までの分のみ)
・理由書(前回請求時に「障害認定日請求」をせずに「事後重症請求」をした理由)
 ※今回は(再)「障害認定日請求」ですので、それについての申立書を添付しました。
・銀行通帳のコピー
 既に「障害年金」を受給しているので必要無いように思うのですが、今日の年金事務所
 の担当者曰く「必要」とのことでした。