年金事務所に行って、年金額の試算をしてもらいました

60歳台のお客様です。
糖尿病で網膜症を患われており、今回眼の障害で「障害年金」の請求手続きをさせた頂いているのですが、主治医の先生の見立てに間違いがあり、診断書を取った結果、当初考えていた2級でなく3級がどうかというものでした。

また、別の医師からは「夏ごろには「人工透析」を始めなければならない」とも言われていらっしゃいましたが、経済的に厳しく、「老齢年金の繰上はどうだろうか?」というご相談も受けていました。
それに対して、そうならないことに越したことはないのですが、「人工透析」を始めた場合障害等級2級に該当し、最も「年金額」が高額になるので、なんとかそれまで経済的に持ちこたえられないでしょうか」というようなお話をしてきました。

継続してお仕事も探しておられたのですが、やはり眼の障害でアルバイトくらいしか仕事が見つからないということで、「老齢年金の繰上を検討したい」とのお話が再度出ました。
そこで、今日年金事務所へ行って、それぞれのケースでの年金額の試算をしてもらい、お客様に結果をご連絡しました。

結果、「老齢年金の繰上」が最も確実で早く、また障害年金3級の年金額より高額な年金を受給出来るのですが、繰上1か月毎に0.5%減額され、その減額された老齢年金が一生継続することになります。

また、「老齢年金の繰上」をすると、「よくある質問」でも解説していますが、原則それ以降の障害年金の請求は出来なくなってしまいますので、今回のケースの中で最も高額である「人工透析」をした場合の障害年金の2級は請求出来なくなってしまいます。

【ポイント】(年金の繰上受給)
老齢基礎・厚生年金は、原則として65歳から受け取ることができますが、希望すれば60歳から65歳になるまでの間に繰り上げて受け取ることができます。ただし、繰上げ受給の請求をした時点に応じて年金が減額され、その減額率は一生変わりません。
なお、原則として老齢基礎年金と老齢厚生年金は同時に繰上げ請求をする必要があります。
減額率
昭和37年4月2日以降生まれの方:0.4%(最大0.4%×60か月(5年)=24%)
昭和37年4月1日以前生まれの方:0.5%(最大0.5%×60か月(5年)=30%)