自閉スペクトラム症とうつ病による精神の障害で20歳前の傷病による障害基礎年金」で遡及請求をしたお客様から「年金証書」到着のご連絡をいただきました

今日、自閉スペクトラム症とうつ病による精神の障害で「20歳前の傷病による障害基礎年金」の「遡及請求」をしたお客様から「障害認定日」での「障害基礎年金2級」の「年金証書」が届いたとのご連絡がありました。
大変喜んでおられました。
私も本当にうれしかったです、ホッとしました。

というのは、このお客様、現在30歳台でいらっしゃり、幼少の頃から遅れがあったり、周りと馴染めないなどで、ご両親が心配され非常に熱心に病院へ連れていかれたり、いろんな施設でご相談になるなどして、「発達障害」と診断を受けられており、その後も定期的に知能検査を受けられたり、その後うつ症状も発症されたこともあり、現在に至るまで病院へも継続して通われて来ていました。

今回、「障害年金」請求のご相談を頂いた時に、幼少からの状態が今現在まで続いており、障害認定日(20歳)での「遡及請求」を考えたのですが、その後手続きを進める中で、これほど熱心に病院に通われていたにも関わらず、「障害認定日(遡及)請求」に必要な20歳到達日前後3か月以内の「診断書」が病院は有るものの廃棄されており、取得出来ないことが分かりました。

確かに、医師法でカルテの保存期間は5年なので、今回の場合10年以上前のカルテが廃棄されていても、仕方がないのですが、それを個人の責任に負わせて、「障害年金」が請求出来ないなどということがあってよいのかといつも思います。

その後、色々お客様とお話をしながら手続きを進める中で、下記の医証なら有ることが分かりました。
・20歳到達日の約9か月前の知能検査結果 
 ※ご両親が20歳以降の進路(就職)を考えられて、医療機関にご相談をされ検査を受け 
  られており、10年以上前の検査結果が大切に保管をされていました。
  合わせて、幼少期からの知能検査等の結果も大切に保管されていました。
・カルテが廃棄されたいた病院からの転院先である今通われている病院の「初診日」が
 20歳到達日の約9か月後で、その「初診日」のカルテ

日本年機構が定めている「20歳到達日前後3か月以内の診断書」は有りませんでしが、何とか20歳到達日前後9か月の医証がそろいました。
そこで、この 20歳到達日9か月前の検査結果と9か月後の診断書で挟みこむことにより、20歳到達時点での状態が審査できると主張することとしました。

つぎに、まず20歳到達日の9か月後の現在の病院の「初診日」の「診断書」の作成を依頼をするときに、医師に9か月前(20歳到達時点)の状態(症状)が推測できるようであれば、その内容を記載頂くように依頼をしました。
結果、素晴らしい障害認定日(20歳到達日から9か月後)および現症(現在)の「診断書」を作成頂きました。
先生、本当にありがとうございました。

次に、大切に保管されていた幼少からの検査結果を読み返したところ、幼少の頃からの状態(症状)が先の20歳到達日以前9か月の検査時点までずっと継続していることが分かりました。
また、これの状態(症状)は今の状態(症状)とも同じでした。
すなわち、日本年金機構が求めている20歳到達日前後3か月以内の診断書は無いものの、これら20歳到達日前後9か月の検査結果と「診断書」で十分20歳到達時点での状態を審査できると判断出来ました。

そこで、「障害年金」の請求時に「診断書」の他に、これら大切に保管されていた検査結果も添付し、補足資料でこれら検査結果と「診断書」で20歳到達時点での状態を審査できると主張した補足資料も合わせて添付し、提出しました。

「年金請求書」を提出したものの、20歳到達日前後3か月以内からわずかに外れた程度ならともかく、それでなくても決められた期間の「診断書」が無い場合の請求は非常に難しいと言われており、今回の「診断書」は要求されている期間から前後それぞれ6か月も外れており、正直日本年金機構での審査の3か月間、胃が痛くなる思いで結果を待っている中での今日のご連絡でした、本当にうれしかったです。
お客様も非常に喜んでいらっしゃいました。

今回の日本年金機構の英断に感謝しています。
ルールはルールで大切ですが、やはり「障害年金」を貰うべき人が貰えるような審査をぜひこらからもお願いしたいと思います。

結果、障害認定日での「障害年金」が認定され(遡及請求が認められ)、5年分遡って受給出来ることになりました。

この後、約50日しますと、「年金支払通知書」が届き、その後の最初の15日に初回の「障害年金」がお客様の銀行口座に振り込まれます。
もうしばらく、お待ちください。

【ポイント】(「20歳前の傷病による障害基礎年金」請求時の診断書について)
「20歳前の傷病による障害基礎年金」では、障害認定日前後3か月以内の診断書が必要です。

まず、この「前後3か月以内の診断書」というのも、他の請求では、例えば「障害認定日請求」では「障害認定日以降3か月以内の診断書」、「事後重症請求」では「請求日以前3か月以内の診断書」がそれぞれ必要であるのに対し、「前後」となっており特徴的なものですので、間違わない様に注意が必要です。

つぎに、この「20歳前の傷病による障害基礎年金」請求における「障害認定日」とは、次に2つのケースがあります。
①障害認定日以後に20歳に達したときは20歳に達した日
②障害認定日が20歳に達した日後であるときはその障害認定日

ここで間違いやすいのは、①のケースで、「障害認定日」=「20歳に達した日」となっており、「障害認定日」は「20歳の誕生日」ではなく、「20歳の誕生日の前日」なのです。
すなわち、必要な「障害認定日前後3か月以内の診断書」とは20歳の誕生日の前の日の前後3か月以内の診断書であり、非常に間違いやすいので十分注意が必要です。

たかが1日ですが、ルール違反はルール違反なので、「認めれない」と言われても仕方ありません。
詳細は日本年金機構発行「かけはし58号」をご覧ください。