多系統萎縮症による障害で障害年金を請求したお客様から「年金証書」到着のご連絡をいただきました

今日、「多系統萎縮症」による障害で「障害年金」の請求をしたお客様から「障害厚生年金1級」の「年金証書」が届いたとのご連絡がありました。
ご本人は入院中でほぼ寝たきりの状態ですので、ご連絡を頂きましたのは高齢のお母さまからでしたが、大変喜んでおられました。

当センターのホームページをご覧になってご相談を頂きました50代の男性のお客様でした。

高齢のお母さまからのご相談でしたが、最初ご相談を頂いた時は他の事務所さんにもご相談をなさっているようで、それからしばらく連絡がありませんでした。

1か月程経った頃、再度お母さまからご連絡頂き、息子さんが家で倒れ病院に救急搬送され、各種検査の結果「多系統萎縮症」と診断され、入院されたということで、「障害年金」の請求を進めたいというお話があり、お母さまと面談をさせて頂きました。

最初にお電話でお問い合わせを頂いた時のお話では、2年半ほど前に通勤途上で転倒し大腿骨を骨折し入院され、手術を受けたとのことでした。
退院後、復職しようとされましたが、思う様に身体が動かず、数日で再度休職され、最終的には退職されていました。
それ以降は家に引きこもった生活になり、最近は歩くことも出来ず外出も出来ない状態で、「障害年金」の請求を検討していたということでいらっしゃいました。

大腿骨を骨折されたということでしたので、股関節への人口関節挿入術を受けられたのかと想像しましたが、お母さまもはっきりしたことはお分かりにならないようで、そこで一旦話は終わっていました。
一方で、「何故、大腿骨骨折で歩くことが出来ない状態になったのか？」という疑問が残りました。

今回、息子さんが自宅で倒れられ救急搬送され入院された結果、「多系統萎縮症」と診断されたとお聞きし、先の疑問が解けました。
2年半ほど前から既に「多系統萎縮症」を発症されており、症状の１つである運動失調が現れ、転倒したということだろうと推測されました。

その後、進行性の病気である「多系統萎縮症」が進行し、歩行障害が更に進み、ほとんど歩けず寝たきりの様な状態になっておられました。
また、最近は見えないものが見えるといった幻視妄想も現れ、呂律も回らなくなってきていたということでした。

今現在は、入院されており寝たきりでほぼ全介助の状態でいらっしゃいました。

今回の「多系統萎縮症」のような難病の場合、症状も緩徐に進行するケースが多くなかなか確定診断が難しく、ドクターショッピングをした後でやっと確定診断されるケースも多く、確定診断までに長期間掛かることも少なくありません。

そうした場合、どこが「初診日」かという問題が発生します。
今回のお客様の場合も、最初に病院を受診されたのは、転倒による大腿骨骨折によるものであり、この時点で「多系統萎縮症」とは全く診断されていません。
だからと言って、今回救急搬送され「多系統萎縮症」と診断された日を「初診日」とすると、「障害年金」の請求を今から1年6か月後の「障害認定日」まで待たなくてはいけません。

一方、「多系統萎縮症」の予後からすると、現時点ですでに寝たきりの状態であることからすると、2年半ほど前に転倒し大腿骨骨折をされた時点で既に「多系統萎縮症」を発症されていたのは明らかでしたし、お母さまから「その少し前から息子さんが歩いている時に何もないところでよろよろしながら転倒するのを何回か見た」という運動失調を疑わせるお話もありました。

そこで、大腿骨骨折の治療をして頂いた病院の医師ならびに現在入院されている病院の医師に、「2年半ほど前に転倒し大腿骨骨折をした時点で、すでに「多系統萎縮症」を発症していたかどうか」について意見書でご意見を頂くことにしました。
結果、いずれの医師も「そう判断される」あるいは「その可能性は廃除できない」という肯定的なご意見を頂けましたので、これら意見書も添付し、「大腿骨骨折で病院を受診した日を「初診日」」として請求しました。

結果、この度、この「初診日」が認められ、裁定請求から1か月半弱という速さで「障害厚生年金1級」に認定されました。

高齢のお母さまが大変ご苦労されていらっしゃいましたので、本当に良かったです。