50代男性 脊髄小脳変性症による肢体の障害で障害厚生年金2級を受給できたケース

ご相談者様男性(50代)
傷病名脊髄小脳変性症
決定した年金の種類と等級障害認定日:障害厚生年金3級
制定請求日:障害厚生年金2級
受給決定額年額約119万円
遡及支給額 約313万円(5年3か月分)

ご相談内容

以前、「障害年金」の請求のお手続きをさせて頂きました方から当センターをご紹介頂きましたご親族の50代の男性のお客様でした。

お話をお聞きしますと、15年以上前、ある時足が突っ張り、曲がり難くなり、歩き辛さを感じるようになったそうです。
その時はまだお若く、じきに直るだろうと気に留めなかったそうです。

しかし、その後も少しづつ確実に症状は進行し、歩き辛さも増し、特に階段を下りるのが難しくなり、走ることは全くできないようになり、仕事にも影響が出始めました。

さすがに、「これはますい」と思い、最寄りの病院の整形外科を受診したところ、「すぐに神経内科を受診して下さい」と言われ、神経内科を受診、各種検査をした結果、「脊髄小脳変性症」と診断され、医師から「現在の医学では治せません、進行性でそれを止める薬もない」と告げられたそうです。

最初は信じられなかったそうですが、その医師がこの「脊髄小脳変性症」を専門にされているということを聞いて、納得せざるを得なかった(受け入れざるを得なかった)そうです。

しばらくすると、仕事にもかなりの支障が出始め、結局退職されました。

その後も、症状は少しづつ進行し、体幹のバランスを取るのが非常に難しくなり、転倒することも多くなり、歩く時には杖も必要になりました。

今現在、ほとんど家に引きこもった生活で、1日中座って生活をされており、ご家族の援助で何とか生活をされているような状態でいらっしゃいました。

【ポイント(難病について)】
今回の「脊髄小脳変性症」のような難病の場合、なかなか確定診断が難しく、ドクターショッピングをした後でやっと確定診断されるケースも多く、確定診断までに長期間掛かることも少なくありません。

そうした場合、当然「障害年金」の請求が遅れることになり、既にカルテが廃棄されていたり、病院が廃院されてしまっているということもあります。

また、確定診断までにドクターショッピングをした場合、どこが「初診日」になるかという問題も発生し、「初診日」の確定(認定)が難しくなることがあります。

今回のお客様の場合、最初に受診された病院の医師が「脊髄小脳変性症」の専門の医師だったことですぐに確定診断されたという非常に稀なケースで、大変な病気ではありますが、不幸中の幸いでありました。

当センターのサポート

今回、遡及請求をしました。
まず、障害認定日については、当時はまだかろうじて働かれており、障害認定日現症診断書からも障害等級3級程度と予測されました。
一方、裁定請求日については、先の障害認定日から10年以上経過しており、その間緩徐ではありますが確実に肢体の障害は増悪し、 裁定請求日現症診断書からも明らかに悪化していることが見てとれ障害等級2級に該当すると思われました。
しかし、肢体の障害の「障害認定基準」は非常に複雑で、日本年金機構の 審査次第では裁定請求日時点も3級のまま認定される心配がありました。

そこで、申立書で障害認定日時点の状態と裁定請求日時点の状態を詳細に比較説明し、裁定請求日時点では2級に該当(増悪)していることを訴えました。

結果

結果、申立てが認めれら、障害認定日:障害厚生年金3級→裁定請求日:障害厚生年金2級に認定されました。

支給金額遡及分(5年3か月分)約313万円
年額約119万円

お客様は、今後の生活設計をどうするか?色々心配されていましたので、大変喜んでいらっしゃいました。
我々も、安堵すると共に、本当に良かったという思いでした。